ありふれた恋を。
「あ、ここ何かこぼしたんでしょ!」
『あぁ、それな。俺じゃなくて友達だよ。てかお隣さん?』
お隣さん?
お兄ちゃんがちゃんと近所付き合いをしてるんだと思うとおかしくて、思わず笑ってしまう。
『なんだよ。』
「ううん。お兄ちゃん、近所付き合いとかしてるんだなぁって。」
『まぁな。でもその人だけだよ。歳も近いし話が合うんだ。男同士の友情ってやつだな。』
お茶を入れたグラスを2つ、ソファーの前のテーブルに置いて、お兄ちゃんは『その人さ…』と話し始める。
『部屋が散らかってるからよくウチに来んの。』
「へぇー。」
『雨の日でも洗濯物干しっぱなしになってたりとかさ、なんかだらしないんだよなぁ。でもそこが可愛いっていうか、年上なのにかまってあげたくなるんだよ。』
「ふーん。」
お兄ちゃんはやけに楽しそうにその人のこと話す。
そんなに仲良いのかな。