ありふれた恋を。

お兄ちゃんまだ電話中だし…、私が出ても良いのかな…?

でも宅配便だったら無視するのも良くないよね…。


仕方なくソファーから起き上がりのそのそと玄関へ行く。

そっとドアスコープを覗くと眼鏡をかけた長身の男性が立っていて、その姿を見た瞬間反射的にドアを開けていた。



『有佐…?』

「先生…?」


2人の声が重なる。


そこに立っていたのは紛れもなく先生で。

予想外すぎて言葉が何も出て来ない。


なんで?
なんで先生がいるの?

しかも眼鏡だし私服だし格好良いし。


私と同じように、先生も頭からハテナマークを飛ばして私を見ている。



『夏波?……って、あれ?噂をすれば弘くんじゃん。』

『あ、和哉。』


弘くん?
和哉?


お兄ちゃんは先生を弘くんって呼んでて、先生はお兄ちゃんを呼び捨てにしてる。


え、なんで…?



< 45 / 264 >

この作品をシェア

pagetop