ありふれた恋を。
どうして先生は、あんなにひどいことをされたのに彼女を忘れることができないの?
先生はどうやって、彼女の嘘を知ったの?
直接聞いたの?
後で知ったの?
どうして?
どうして…?
あらゆる疑問が頭の中をよぎる。
今度はごまかさず、包み隠さず私に話してくれたことも不思議だった。
苦しくて切ないけれど、大切な過去。
私が無理に聞き出そうとしたことは確かだけど、まさか本当に話してくれるとは思わなかった。
それも、こんなに詳しく。
この続きを、また聞いても良いのだろうか?
そして先生が答えてくれるならば、もうひとつだけ聞きたい。
私は、先生の力になれますか?…と。
いつか感じた、何かできることがあるかもしれないという思いは嘘じゃない。
どんなに些細なことでもいいから、私が力になれることがあれば…。
そしていつの日か…
私が、先生のそばにいられれば…。
先生が話してくれたお陰で、初めてハッキリと感じた想いだった。
先生が好き。
先生のそばにいたい。
先生を、支えたい――。