ありふれた恋を。
普通生徒の告白。
月曜日、私は学校で先生に会った。
廊下を1人で歩いていた先生に挨拶をすると、『一昨日はどうも。』と返してくれた。
その場で放課後にあの部屋へ行ってもいいかと聞き、約束をとりつけることができた。
一昨日聞けなかったことを聞きたい。
先生が過去を話してくれたときは、私なんかに話してくれたことをずっと疑問に思っていた。
だけど少し時間が経って、話してくれたからこそ先生に積極的になっている自分がいる。
だって、大事な話をしてくれたんだもん。
お隣さんの妹という事情があったとしても、信頼されてるかも…ってちょっと思ったりして。
土曜日の夜の出来事が、確実に私と先生の距離を近付けてくれていた。
『あ、有佐さん!』
放課後、先生の元へ行こうとしたら誰かに呼び止められた。
…げ、2組のあの子じゃん。
てか私の名前知ってたんだ。
「なに?」
『ねぇ、滝本先生知らない?』
「え?…知らないよ。」
咄嗟に嘘をついてしまった。
だって、今から私が会いに行くから…。