キミと夢の途中
「風見って、郁さんの妹なんだろ?」

さっき、自己紹介したファーストの北川雄太(ユウタ)くんが聞いてきた。


「うん」


私が答えると、


「郁さん、めっちゃ優しかったよな~。美人だし。いつもあの笑顔には癒やされてた」

雄太くんが言うと、みんなウンウンと頷いた。


「ふ~ん」



確かに郁姉は美人で優しい。面倒見もいいし。



「でもほら、彼氏いたじゃん。神崎先輩」


「神崎先輩って、神崎悠希(ユウキ)先輩?」

私が聞くと、


「そうそう、うちのエースだったもんな。お似合いだったし」


「確かにかっこよかったね。悠希さん」


「悠希さんって…仲良かったの?」

恵くんが聞いてきた。



「まぁ、郁姉の彼氏だし。よく家にも来てたし。今、郁姉と一緒に住んでるよ」


「マジ?!ぃいなぁ~。羨ましいぜ、神崎先輩」


みんな笑い合いながら話していた。




でも、さっきから何もしゃべってない男がいた。









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