終わらないよ
『そうなのか。なら私にも紹介してよ。』
ニコッと駿の肩をポンと触る。

『あ、は、はい。』
駿は肩に置かれた手を見てうまく喋られなくなる。

『一ノ瀬さんが友達になってくれたら心強いです。』
駿は目をそらしながら言う。それはどこか不審だ。

『いやいや。友達は多い方がいいのだ。。』

『楓~。ちょっと着て~。』
クラスの女子に楓は呼ばれると、
『うん。今行く。』
楓はそっちの方へと行った。

『お前、楓と話をするとき緊張しすぎ。』
俺は駿の肩に手を置きあきれていた。
あれじゃ、好きだって丸分かりだ。

『あ、触らないでください。そこ一ノ瀬さんに触られたところなんですから。』
俺の手をどけるとギャッと右肩をにぎった。

『はぁ~。お前は純粋でいいな。』
『馬鹿にしてます?。』
俺の言葉に駿は気にくわなかったのかちょっと怒り口調で喋り俺を見た。

『いやいや。そうじゃなくて1人の女をずっと好きだなんて。俺には無理だ。だからすごいなって。』
駿は1年の時のある出来事から楓をずっと好きでいるのだ。
それが駿の初恋だ。

『いえ。そんなことは。』

『はいはい。座れ。』
担任の明石が入ってくるとみんな席に座りだした。

『はい。授業の前に冴島。昼休み職員室に来い。』
まただ。
3年になってから6日。
今日で4回目の呼び出しだ。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop