ちくわ部
と、そこに響く不敵な笑い声。
「ふっふっふ……さてそれでは。ここで部長の評価タイムといきましょうかね」
は? と私ら一年生トリオの声がハモる。
真崎先輩は腕を組みながらどこか企むようにくつくつと笑っているが、言っていることがさっぱりだった。
「あーあ。まるの提案は八割方下らないよ。一年がきっちーのことどう思ってるかなんてどうでもいいじゃんか……こンの色ボケ脳ーっ!」
後半は吐き捨てるようにそう言うと、ジン先輩はオーバーアクションで真崎先輩にチョップをかます。
結構いい所に入ったようで、真崎先輩は呻きながら頭を押さえてうずくまった。
ジン先輩の突っ込み兼補足から察すると……真崎先輩は、私達一年生『菊池先輩のことをどう思うか』を聞きたかったらしい。
いきなり麻衣ちゃん呼ばわりだったりなんだりと、この人はかなり軽い……というか、ジン先輩の言葉を借りるなら『色ボケ脳』のようだ。
この部活の男子には変な人しかいないのだろうか……無意識で軽い人、エロい人、軽い人……いや、塩田君はまだわりとまともか。
痛みのショックから復帰した真崎先輩は、頭を押さえながらよろよろとソファに座り直すとジン先輩を上目遣いで睨みつける。
「いっ……いきなり何すんだよ! 第一、お前の提案もだいたい下らないだろ!?」
「失礼だなー。俺の提案は九割方下らない自信があるよー?」
そして始まる底辺争い。
ジン先輩の爽やかな笑顔が眩しいが、言っている事はかっこ悪い。
それから真崎先輩は底辺争いをしたところでどうにもならないからか、話題を切りかえた。