ちくわ部
「やー。よかったよ。陣野さんが思った通りの面白い人で。俺の直感って当たるんだよね」
「面白い……って、それって褒めてるんですか?」
「うん。褒めてる褒めてる」
私、陣野麻衣(じんの まい)は、上級生である菊池という男子生徒が部長の『ちくわ部』に体験入部することになった。
菊池先輩は朝に私に声を掛けてきたのだが、それは偶然というよりは先輩が私の事を『面白そう』だと直感的に思ったからだったらしい。
一連の授業を終えて、現在は放課後。
分かりやすい所で待ち合わせをし、今は『部室棟』に案内してもらっている所である。
「この学校、とにかく全部の部活に部室が用意されてるんだ。でも部室棟がやたら広いのと、部室棟まで遠いのがちょっとネック」
菊池先輩は、まだ学校に慣れていない私に気を使ってくれているのか、歩く速度は遅めだった。
それとどうやらわりと話好きの先輩らしく、色々と話を振ってくれる。
先輩の男子生徒と二人っきりで無言でひたすら歩くよりは、多少なりとも会話しているほうがよほどマシだ。
会話の内容が楽しいかどうかは置いておいて。
しかし気さくそうなわりには落ち付いた声と語り口で、テンションが高すぎて疲れるだとかそういうことはなかった。
「あぁ……そんな感じの事を説明で聞きました。確か、部活の活動時間も決まってるんですよね?」
「そうそう。最低でも三十分。しかも平日は必ず部活動をしなければならないから……平日の放課後三十分は部活だね。まぁ、出なくてもいいけど」
「面白い……って、それって褒めてるんですか?」
「うん。褒めてる褒めてる」
私、陣野麻衣(じんの まい)は、上級生である菊池という男子生徒が部長の『ちくわ部』に体験入部することになった。
菊池先輩は朝に私に声を掛けてきたのだが、それは偶然というよりは先輩が私の事を『面白そう』だと直感的に思ったからだったらしい。
一連の授業を終えて、現在は放課後。
分かりやすい所で待ち合わせをし、今は『部室棟』に案内してもらっている所である。
「この学校、とにかく全部の部活に部室が用意されてるんだ。でも部室棟がやたら広いのと、部室棟まで遠いのがちょっとネック」
菊池先輩は、まだ学校に慣れていない私に気を使ってくれているのか、歩く速度は遅めだった。
それとどうやらわりと話好きの先輩らしく、色々と話を振ってくれる。
先輩の男子生徒と二人っきりで無言でひたすら歩くよりは、多少なりとも会話しているほうがよほどマシだ。
会話の内容が楽しいかどうかは置いておいて。
しかし気さくそうなわりには落ち付いた声と語り口で、テンションが高すぎて疲れるだとかそういうことはなかった。
「あぁ……そんな感じの事を説明で聞きました。確か、部活の活動時間も決まってるんですよね?」
「そうそう。最低でも三十分。しかも平日は必ず部活動をしなければならないから……平日の放課後三十分は部活だね。まぁ、出なくてもいいけど」