シュートにかけた恋
潤をなだめるように、けど1つ今日の潤を見て確信するように笑顔で安堂先生はそう言った。

泣き止んだ潤は、目を真っ赤にさせながら冷めたコーヒーにミルクを足して飲んだ。


「みきちゃん保健室にくるようになってもう1年経つね。あの時、みきちゃんがいなかったら私は今この場でこうしてみきちゃんとお話してなかったかもね。家族にもバレてないの全部みきちゃんのおかげだよ。みきちゃんがお母さんならいいのに。」


潤は冗談まじりに微笑みながらいった。
すると、安堂先生が「あなたにはお母さんが私を含めて3人もいるのね。羨ましいわ。」


「みきちゃん!!今この家で一緒に住んでる女は赤の他人よ。人の家に土足で入って来たんだもの。納得できないよ。」


「コラッッ!!血が繋がらなくても家族に変わりないのよ。大切にしないと潤ちゃんが昔みたいにもっとイヤそれ以上に傷つくだけなんだからね。分かった??」


潤は安堂先生からの発言に頬を膨らませてフグみたいな顔をして返事をした。
「はいはい、分かりました。」

納得してないが安堂先生に弱い潤は素直にそうゆうしかなかった。
「分かればよろしい。」

時計を見るともう9時半をすぎていた。
時間が経つのはあっという間だと実感する潤であった。
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