シュートにかけた恋
潤は、行き場を失い最後の助けを求めて保健室に向かった。
ドアにノックをした
コンッッコンッッ!!

「はぁーい。空いてますよ。
 どうぞ入ってきなさい。」

潤は満面の笑みをして中に
入って行った。
「失礼します。
 先生が寂しいかと思って会いに 来てあげたよ。」

メガネをかけたボブヘアの
きゃしゃな凄く可愛らしい
優しそうなこの人は唯一潤の
心を開いている
安堂美希(あんどうみき)先生
潤はみきちゃんと呼んでいる。
潤と親しい理由は、バスケットボール部の時によくケガをしてお世話になってから何でも話すまで仲良くなったから。

安堂先生は嬉しいがため息まじりになりながら
「潤ちゃん、また教室じゃなくてこっちにきたの??担任の先生にはなんて言ってきたのかな??
まぁいいわ。
丁度話し相手が欲しいと思って
たから助かったわ。」

潤は中央にあるソファに座って
「屋上に行ったら変な奴が
いたんだもん。屋上で1日中
空眺めてさぼってようと思った
のに残念。あの変な奴絶対許してあげないんだから。」

潤にココアを作って差し出した
先生が質問した。
「その変な奴は、生徒なの??」
「生徒じゃないよ。だって大学4年生で22歳って言ってたもん。」と潤が熊のぬいぐるみを抱きながら安堂先生に言った。
「もしかして、今日から3ヶ月間教育実習でくる先生かもね。かなりイケメンって噂よ。」
意地悪っぽく潤をからかって先生が言う。
< 4 / 17 >

この作品をシェア

pagetop