孤独な花と孤高の王子
―――――それから、義父の死が確認された。
穏やかな表情で棺に収まる義父の顔を、私は無表情のまま見つめることしかできなかった。
会社への連絡を終えた私は、ただ義父のそばに寄り添うことしかできなくて、カーテンを引きっぱなしの薄暗い部屋でうずくまる。
…泣けないことだけが不思議だった。
―――――ピンポーン!
次の瞬間、玄関のチャイムがリビングに響く。
私は一瞬びくっとしたけど、ふらふらと玄関に向かった。