孤独な花と孤高の王子





………どのくらいそうしていたんだろう。




私は篠宮さんに支えられ、義父の待つリビングに戻った。


そして私をソファに座らせた篠宮さんは静かに口を開く。



「…出社して聞いたんだ。俺もしばらく休むことにしたから」


「私なら、一人でも平気ですよ…?」


そう返したけど、篠宮さんは私を強いまなざしで見る。



「そんな状態で一人にしておけるか。…俺だって親父さんには世話になったんだ、最後までしっかり見届けたいんだよ」





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