孤独な花と孤高の王子
最後の方は声が震えて、上手く言えたかどうかもわからなかった。
私は篠宮さんの身体をを押し返す。
二人の間に距離が生まれると、一気に篠宮さんの表情が曇った。
「……………わかんねぇよ、おまえ」
「…すみません」
それから、しばらくどちらもなにも話さなかった。
「………わかった。終わりにしよう」
しばらくして、篠宮さんはそう言った。
そのまま彼は玄関に向かい、外へ出て行ってしまう。
私はもう、そこから一歩も動けなかった。