孤独な花と孤高の王子
―――――忌引きが明けて、私は久しぶりに出社した。
開発室のメンバーが次々に私の元を訪れては仕事の話だったり励ましてくれたりする。
…そっか。
もうこれからは、残業も泊まり込みも自由にやれるんだ。
そうだよ。
これからは仕事に生きよう。
仕事に集中してれば、なにも考えなくてすむ。
「…もう会わないだろうし」
そうつぶやいて、私はそっと唇に触れる。
…それだけが今の私の支えで、それで十分だと思った。