孤独な花と孤高の王子
院長先生の話す言葉は穏やかで優しいはずなのに、私に突き刺さる。
時間が止まったような空間で、私は頭を殴られたような衝撃を受けた。
「再発…ですか………?」
やっとつぶやいた私の言葉に、院長先生は頭深く頷いた。
「…はい。しかも、全身に転移しています」
………頭が真っ白だ。
この日が、まさかこんなに早くやってくるなんて。
義父の最期を告げられた私は、院長先生の顔をまっすぐ見ることもできなかった。