孤独な花と孤高の王子





その言葉に私が頭を上げると、その人は優しく微笑みかけてくれる。


…こんなことを言われたのは初めてだったから。



「………なんで…そんな、優しい…?」



「…あなた、なんだか放っておけない。今にも壊れてしまいそうなんだもの。…全く知らない人になら話せるってこともあるでしょう?」






―――私は、その言葉に声を上げずに泣き続けた。


そんな私の頭を優しく撫でてくれるその人の手はまるで母親のそれだった。





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