孤独な花と孤高の王子





私が顔を上げると、そこにはさわやかな笑顔の男の人が立っている。



「あ、俺企画室の高橋って言うんだ。君は?」


「…開発室の笹倉です」


そう答えると、高橋さんは目を輝かせて私に近づいてくる。



「君が笹倉さん!?…噂は聞いてるけど、こんなに綺麗な人だとは思わなかったよ!」


そうはしゃいだように話し続ける高橋さん。
私はなんだかついていけなくて、苦笑いを浮かべた。



「…お世辞でも嬉しいです」


私はそれだけ言って、一旦トイレに逃げようとした。





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