孤独な花と孤高の王子
「―――そこではここで、弊社取締役専務の篠宮誓より皆様にご挨拶がございます。ステージ上にご注目くださいませ」
私が会場を出ようとした瞬間、そう言うアナウンスが聞こえた。
そのアナウンスに私の足は勝手に止まる。
…でも、ステージに立つ篠宮さんの姿を見る勇気まではどうしてもわかなくて、私はステージに背を向けるように立ち尽くしていた。
「皆様、本日はこのような場を用意していただき誠にありがとうございます。…この場をお借りして、皆様にご報告させていただきたいことがございます」