孤独な花と孤高の王子
………どういうこと?
視界が揺らいで、身体中から力が抜けていくところを篠宮さんががっちりと支えてくれた。
「まだわからないのか?」
そう囁く声にも返事を返せないくらい混乱していた私は、思わずバッグを落としてしまう。
すると、目の前にはあの日ハンカチを貸してくれた女の人がいた。
「………だから言ったでしょう?好きなままでいなさいって。お久しぶりね、真琴さん。…誓の母親です」
私のバッグを拾いながらそう言うその女の人に、私はさらに目を丸くする。