孤独な花と孤高の王子
「…はい」
メイクのこととか何も考えずに涙を流しながら、私は必死でそう答えた。
「この日を待ってた」
そう言うと強い力で私を抱き抱え、大きな声で会場中の人に向かってこう言った。
「………少しこの場から離れますが、皆様、どうかお楽しみください!」
篠宮さんがそう言うと、割れんばかりの歓声と拍手が会場に響く。
すると、泣きじゃくった私を抱えて篠宮さんは会場の外に出て行くのだった。