孤独な花と孤高の王子
13th 寄り添った夜
―――――夢みたいだった。
見上げるとそこにはまっすぐ前を向いた篠宮さんがいる。
何も言わずエレベーターに乗り込み、どこかに向かっている。
「あ、…あのっ!」
少し落ち着いてきた私がそう呼びかけると、篠宮さんは優しい視線を落とす。
「ん?どうした?」
「今…どこに向かってるんですか?」
「上に部屋取ってあるから、そこ」