孤独な花と孤高の王子
瞳の赤みがとれたのを確認して、私は義父の待つ病室に戻った。
するとうとうとしていたのか、少し眠そうな眼差しで私を見て笑う。
「ゆっくりだったね。院長先生、なんだって?」
「あ、…お孫さんに渡すプレゼントの相談をされたんだ。もうすぐ誕生日なんだって」
そう返すと、義父はうんうんと頷く。
そして私をただじっと見つめた。
「…どうしたの?」
「いや、その………真琴ちゃんは、お付き合いしている人なんかはいないのかい?」