孤独な花と孤高の王子
車を降りて病室に向かうと、そこには静かに眠っている義父の姿があった。
点滴の繋がれた腕はなんだか妙に細く見えて、思わず泣きそうになってしまう。
「………こちらは…」
「私の父です」
病院の中庭を散歩していた義父が倒れたと連絡を受けてきたわけだけど、こうして眠っている姿はいつもと変わらない。
「…よかった」
私がそうつぶやいたのと同時に、義父はうっすらと目を開けた。
私は駆け寄り義父に笑いかける。