孤独な花と孤高の王子
「…真琴ちゃんか?―――あぁ、心配かけちゃったなぁ」
そう言う義父に、私はやっと安心して心から笑うことができた。
「ほんとだよ!心配したんだから」
「悪かったね、ごめんごめん。………おや?真琴ちゃん、そちらの方は…?」
私と笑いあった義父は、入口のあたりに立っている彼の姿に気がつきそう聞いてきた。
…って、そう聞かれても私この人の名前だって知らないのに!
私が慌てて彼の方を振り返ると、彼はなにかを察したように頷く。
そしてベッドに近づいてきた。