孤独な花と孤高の王子





レストランで通された席は一番奥の静かなスペースで、私は緊張しながら席に座った。


向かいの席に座る篠宮さんは慣れた様子でメニューを店員さんに伝えていく。
…そういえば私、男の人と食事するのも初めてかも。



「…もしかしてさ、緊張してる?」


そう聞かれ、私は俯いて小さく頷いた。
すると篠宮さんはそんな私を見て笑う。



「は、初めてなんです。男の人と…こんな………」


私が勇気を振り絞ってそう伝えると、篠宮さんは楽しそうに声を上げて笑い出した。





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