孤独な花と孤高の王子
「そうなんだ。なんかいいな、新鮮だ」
そう言われるとますます恥ずかしくて顔を上げられない。
「………すみません」
「いや、楽しいからいいよ。―――あ、運ばれてきたからまずは食べろよ。腹減っただろう?」
そう促されて運ばれてきた食事に手をつけてみるけど、緊張しすぎてて味なんかわからない。
俯きっぱなしの顔を一瞬上げて向かいにいる篠宮さんを見ると、ゆったりと食事を楽しんでいる。
その様子はまるでスクリーンに出てくる俳優のよう。
私はいたたまれなくて、おいしいはずの食事をひたすら口に運んだのだった。