孤独な花と孤高の王子





「―――いやぁ、笹倉君!いつものことながら助かったよ」




商談が終わり、相手先の人が会議室を出ると営業部の部長が私にそう声をかけてきた。



「いえ。では、まもなく定時なので戻ります」


私がそう返すのと同時に誰かが私の肩を叩く。
反応して振り返ると、そこにはさっきの男の人が立っていた。



「噂では聞いていたけど、さすがだね。…ところで今夜空いてる?」


いきなりの言葉に、私はなにも返せずにいた。





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