孤独な花と孤高の王子





「あと、三か月で…」


止まらなかった。


声も、涙も。



「―――ひとりになっちゃうよ………」


頬を伝う涙の冷たさが、これが現実なんだと知らせてくる。


それでも我慢ができなくて、篠宮さんの前で私はわんわん泣いた。



「ご、ごめ…なさ………」


「…謝るなよ!」


そう言う篠宮さんの声が、なぜか耳元で聞こえた。





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