孤独な花と孤高の王子
私は自分の顔を触ってみた。
…熱い。
―――ただの“フリ”のはずなのに、どうしてこんなに優しいんだろう。
どうしてこんなにいちいち反応しちゃうんだろう。
さっきだって、なんで私にキスなんかしたの?
…篠宮さんの周りにはきっと私よりも綺麗な人がたくさんいるはずなのに、どうして………?
一人で悩んでも答えの出ない悩みに、私はその場にしゃがんで考えるのみ。
そうして、収まらない唇の熱を持て余すのだった。