孤独な花と孤高の王子
2nd 最後の一葉
―――消毒液のにおいに無機質な白い壁。
何回来ても慣れないこの独特な空間に、私は一気に重苦しい気持ちになった。
…こんなんじゃだめだね。
自分をそう奮い立たせた私は、病室の扉を静かに開けた。
「おとうさん、…起きてる?」
白いベッドに横たわっていたのは、優しい眼差しで私を見つめている義理の父。
私が大学生の頃に亡くなった母と再婚した人だ。