孤独な花と孤高の王子
「忙しいんだって聞いたから、…ご迷惑になるかと思ったので」
「まだそう言うの?俺、おまえの彼氏だろう?」
そう言われて、私の心臓が締め付けられる。
その変化を隠すように私は口を開いた。
「―――恋人のフリでしょう!?…それ以上はなにもしないでください!」
「…は?」
「……………私なんかよりも、篠宮さんにはふさわしい方がたくさんいますから。私とのことに本気になられても困ります」
私はそれだけ言って、走って部屋を出た。