孤独な花と孤高の王子





それから二人で食事を仕上げ、ほどなくして食卓を囲んだ。



「…あぁ、そうだ。今週の土曜日、篠宮さんが家に遊びに来るようお誘いしたんだ」


食事をしながら急にそう言う義父に、私は目をぱちくりさせながら言葉を返す。



「え?連絡先知ってるの?」


「あぁ。真琴ちゃんが院長先生のところに行ってる間に交換したんだ。………しかし楽しみだなぁ。夢みたいだ、真琴ちゃんの彼氏が遊びに来るなんて」


しみじみとそう語る義父に、私は複雑な気持ちになる。



「普通逆じゃない?彼氏なんか連れてきたら許さん!みたいなさ」





< 85 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop