孤独な花と孤高の王子
『なんだ、そのこと?どうせ休みの日なんて家にいるだけだから気にするなよ。それより、真琴が料理作るんだろ?楽しみにしてる』
楽しそうにそう話す篠宮さんの声に、私はなんだか落ち着かないくらいドキドキした。
…どうしよう。
本当に付き合ってるみたいな気がしてしまう。
あんなに突き放そうとしてるのに、声を聞くだけで揺らいでしまう。
「…ありがとうございます。お待ちしてますね」
私はそれだけ答え、電話を切るとベッドに寝転がった。
…耳に残る彼の声を何回も何回も反芻しては、胸の奥を締め付けられる感覚を持て余しながら。