孤独な花と孤高の王子
小さな背中。
かすかに揺れる髪。
彼女の後ろを歩きながら、俺はたまらない気持ちになった。
…いつからこんな風に思うようになったんだろう。
親父さんがいるんだ、こんなんじゃいけないのに。
「―――おぉ、わざわざよく来たね!」
リビングのソファに腰掛けながらそう話しかけてくる親父さんの姿に、俺は目を疑った。
…だいぶ痩せて、顔色だってそこまでよくはない。
俺は生唾を飲み込みながら頭を下げた。