孤独な花と孤高の王子
「お久しぶりです!今日はお招きいただきましてありがとうございました」
座るよう促されながら俺がそう返すと、真琴は日本酒と徳利を二つ運んでくる。
「篠宮さん、日本酒お好きなんですってね。おとうさんから聞いたから用意してみました」
「…覚えててくれたんですか?」
親父さんにそう尋ねると笑顔で頷く。
「私も好きだからね。夕飯までゆっくり飲もうじゃないか」
「二人とも飲み過ぎないでね、料理もたくさん作ったんだから」
そう言われ、俺と親父さんは顔を見合わせて笑いながら酒を交わした。