真っ赤なかき氷
わたしは、コンビニからでると
自転車に跨がる都会っ子の前で仁王立ちし、
両手を横に大きく広げた。
「…なに??」
都会っ子は、わたしに
怪しい人を見るような目をして
声を発した。
「あの…!その氷譲ってくれないかな??」
「…なんで?」
「大事な氷なの!かき氷を、食べなきゃ
天国のお母さんとお父さんに顔向けできないの!」
「は?わけわかんね。まあ、いーや。
俺めんどいの嫌いなんだわ。だからやるよ。
その変わり、俺にもかき氷食わせろ」
すんごくだるそうに、しかも俺様な態度が
ムカつくけどしょうがない!かき氷のためだ!
「いいよ…」
「じゃあ、お前の家連れてけ!…はい!」
都会っ子…訂正!俺様男!は、
跨がっていた自転車から降りて
──ポンポン───
自分の乗っていた、自転車のサドルを叩いた。
「ん!」
顎で指図する。
こ、これは
わたしの家まで漕げってことですか…