心の中にはいつもキミがいた
1週間前、柳本そのかに呼び出された。
部活の後。
まぁ、それもタナケンが絡んでるんだけど。
タナケンが俺を呼び出して、その場所に柳本が来たってわけで。
1年の頃からずっと好きだったと告白された。
あまり話したことがなかったが、毎年バレンタインにチョコをもらっていたので、特に驚かなかった。
「あ、ありがとう」
それしか言えなかった俺に、柳本は泣き出した。
嬉しい涙なのか、悲しい涙なのか、俺にはまだわからない。
俺は恋愛については、全く何も知識がない。
知っているのは、好きになるとドキドキするってことくらい。
「付き合ってもらえない?」
「・・・・・・・・・・・・ごめん」
「考えてもらえる?」
「うん」
どうして、俺は「うん」と言ったんだろう。
好きなのはキミなのに。
考えても、答えはNOなのに。
俺のそんなあいまいな答えのせいで、変な噂が立ってしまった。
流したのはタナケンだけど。