心の中にはいつもキミがいた
「おい、真木!!部活終わるまでに好きな女子言えよ!」
鬼教師はこう言って、練習を再開した。
ほとんどの部員が失敗したのに、俺だけ・・・・・・??
「おい、タナケン。まじで勘弁してくれよ。変な噂流すなよ」
「いいじゃん。柳本、かわいいじゃん。付き合えば?」
かわいいとか、美人とか、頭がいいとか、髪がキレイとか、そんなことはどうでもよくて。
ただ、“キミじゃない”ってこと。
キミ以外の女の子は、俺の中では女の子じゃない。
それくらい、キミしか見えない。
初恋だから?
幼馴染だから?
キミの手がとても温かかったから?
草むらでほっぺにキスをしてくれたから?
わからない。
でも、幼い俺にとってはすべてが新鮮で、ドキドキする出来事だった。