心の中にはいつもキミがいた



「真木君、彼女いたんだ~」




数日後、学年の誰もがその噂を耳にしていた。


登校日にクラスの女子に言われた。






「違うって。誰かが嘘の噂流したんだよ。彼女いねーし」



「でも、柳本さんが2人の交際は本当だって認めたって噂だよ」



認めたって何だよ。


芸能人じゃあるまいし。




バカだろ。




「本当に迷惑してんだよ。嘘だって流してよ」



噂って、面白くないものは流れない。


付き合ってるとか、別れたとかそういう噂はすぐに広まるのに。




俺がいくら否定しても、俺は柳本と付き合っていることになっていた。


廊下ですれ違った柳本が恥ずかしそうな顔をして、俺に頭を下げた。




友達はそれを見て、俺を冷やかした。




迷惑だ。


本当に。



勘弁して。




俺、誤解されたくないんだ。



他の誰に誤解されてもいいから・・・・・・




キミにだけは誤解されたくない。






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