心の中にはいつもキミがいた



多分。


キミは噂を耳にしているだろう。




いや。


絶対に。


確実に耳にしている。




そして、その噂を聞いて


「へ~、そうなんだ」くらいにしか思っていない。




もうキミは、俺のことなんか


遠い昔遊んだことのある子・・・・・・くらいにしか思っていないんだろ?





キミとは同じクラスになれないまま、中学を卒業することになる。


複雑だ。



同じクラスじゃないから、キミが他の男子と話している姿をあまり見なくて済む。


だから、胸が苦しくなって、もやもやして、イライラしたりすることもあまりない。




もし、同じクラスだったら

俺は・・・・・・


耐えられないかもしれないな。




キミが他の男に、下敷きで風を送っている姿なんて見ちゃったら・・・・・・





耐えられない。




たった今。


俺は見た。





体育館の前の水道の横。


男子バスケ部と女子バスケ部が一緒に休憩をしていた。




キミは

白いTシャツの上に赤いゼッケンをつけていた。



髪をおだんごにしていて、首には黒いタオルを巻いていた。






暑い暑いと言う男子に向かって、下敷きであおいであげていた。





くっそぉ・・・・・・


殴りたいくらいムカつく。




俺の大好きなキミが、他の男に微笑みかけているなんて。




いつからあんな遠くに行ってしまったんだろう。







俺が暑いと言ったら、キミはそんなことしてくれるのか?




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