心の中にはいつもキミがいた
「俺、教室でひと眠りしてくるわ。時間になったら呼びに来て」
俺はひんやりした教室の机で眠るのが好きだった。
普段は暑いと感じる教室も、部活中には、とても涼しく感じる場所だった。
目が一瞬見えなくなる。
太陽がぎらぎらしていた校庭から、薄暗い廊下に入る。
裸足で廊下を歩く。
気持ちいい。
できることなら廊下に転がって眠りたいくらいだ。
まだ視界がはっきりしない。
「あ、真木・・・・・・」
真正面に人が立っていた。
そして、その人は・・・・・・
俺の好きな
キミだった。
「あ、宮元・・・・・・」
そうちゃん、さきちゃんと呼び合っていた俺達だけど、
今は名字で呼び合うようになってしまった。
一対一でこうして向き合うなんてことは何年もなかったと思う。
いつもお互いに友達と一緒だったりしたから、こうして名前を呼ばれることも久しぶりだった。