心の中にはいつもキミがいた
「何、してんの?」
キミは、タオルで顔の汗をふきながら、少し視線を外してそう言った。
もう視界ははっきりしていた。
こんな近くにキミがいる。
俺とキミ、だけ。
「休憩だから、教室で寝ようかなと思って」
ドキドキが止まらない。
ドキドキしていることを悟られないように、ぶっきらぼうに答える。
「部長だからやりたい放題だね」
と、笑ってくれた。
やっぱりキミの笑顔はいい。
好きだな。
俺が部長だってことを知っていてくれた。
「教室、涼しくて気持ちいいんだよ。お前も寝てみれば?」
お前、なんて言ってしまった。
偉そうに。
「寝たいけど、休憩10分しかないから。それに、私なんかと一緒に寝てると、彼女に誤解されちゃうよ」
やっぱり。
誤解しているのは
キミだから。