心の中にはいつもキミがいた
「3年だしね。受験あるし・・・・・・それに、付き合うとかよくわかんないし」
机の上に腰かけたキミは、足をぶらぶらと揺らしながら、遠い目をして言った。
横顔もまたかわいくて、好きだ。
「志望校、レベル高いんだろ?」
「う~ん。先生には、もっと頑張らないと無理だって言われてる」
キミは頭が良い。
昔から。
余裕で高校入試もクリアできそうなのに。
「そうなんだ。じゃあ、勉強・・・・・・大変なんだな」
「今はまだしてないけど、部活引退したら頑張らないと。真木は、推薦で高校行くの?」
俺にはスポーツ推薦の話が来ていた。
「あそこは頭良いから行かない。いくらサッカーの推薦でも、みんなとレベル違いすぎると辛いし」
「そっか。そうだよね。じゃあ、受験だね」
「俺はバカ高校だから。宮元は大変そうだな」
キミを苦しめるものを全部俺がやっつけてやりたい。
キミは、少し微笑みながら
「お互い頑張ろうね」
と言った。
キミは、揺らしていた足をピンと前に伸ばして、俺を見た。
そのシルエットがあまりにもかわいくて、俺は笑ってしまった。
「どうしたの?」
「いや、何でもない。こうして話すの久しぶりだなと思ってさ」