心の中にはいつもキミがいた



「真木、ちょっとこれ配って」



サッカー部顧問の鬼教師に呼ばれ、俺は部室の外に出た。





夏休みの部活の予定表だった。




「先生、鬼っすね」



俺は、休みの全くない予定表を見つめた。



「最後だからいいだろう」


先生はそう言って、俺の背中をポンと叩いた。




“最後”・・・・・・


悲しい響きだ。




いつまでもここで楽しく過ごしていたいのに。


時間は止まってはくれない。





すぐ目の前に迫ってきた受験ってヤツも、俺を悩ませる。




でも、それ以上に・・・・・・



大事なことがある。




キミのこと。



ずっとずっと好きだったキミのこと。





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