心の中にはいつもキミがいた



キミは、ピョンと机から降りて、俺に一歩近づいた。



俺は机に座ったまま、キミから目をそらした。





心臓がものすごい音を立てている。





「そろそろ、練習戻らなきゃ」




キミはそう言って、黒板の上の時計を見た。



キミが来てからもう5分が過ぎていた。





時間が止まればいいのにと思った。





「明日もここにいる?うちのお母さんが、お礼に梅干しを渡したいって言ってるんだけど・・・・・・」





梅干し!!!


らっきょうの次は梅干しかぁ。




「俺、毎日いるから。ここに・・・・・・」




キミは、また明日ね!!って手を振って、教室から出て行った。


嬉しそうに、らっきょうを胸に抱えて。







ここで、毎日キミを待つよ。



キミに会えるこの場所は俺にとって最高の場所となった。










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