心の中にはいつもキミがいた




こんなに近くにいるのに。




触れることもできない。



好きだと言うこともできない。







「真木って高校行っても彼女作らないの?」




体育座りをしたキミは、黒板の方を見つめたまま小さな声で言った。




「わからないけど・・・・・・」



彼女を作るかどうかって?


相手がキミじゃないなら、作らないよ。






「バレー部のみっこが、卒業式に真木に告白しようかなって言ってたよ」




みっこって誰だよ。




「ふ~ん」



冷たく答えた俺に、キミは幻滅した?





「冷たい男だって思っただろ、今」



「うん、ちょっとね」




ドラマとかでよくある、あれか?




キミはみっこの恋の応援をしていて、俺にみっこをすすめてくるってヤツ・・・・・・



それだけは勘弁して。







「みっこ、本気なのかな」




キミは、聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう言って、俺をチラっと見た。






かわいい顔で俺を見ないで。



もう、気持ちが溢れちゃうだろ。





好きだって言ってしまいたくなる。



でも、言わない。






せっかくこうしてまた昔のように話せるようになったのに。




俺が好きだなんて言ってしまうと、また俺とキミは遠く離れてしまう。









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