心の中にはいつもキミがいた




俺とキミは一緒に帰る約束をした。




何年ぶりだろう。


キミと一緒に帰るなんて。






「みっこ・・・・・・本気で好きみたいだよ」




嬉しい気持ちでいっぱいだった俺にキミはそう言って、悲しい顔を向けた。



みっことキミはどれくらい仲が良いんだろう。




親友だったら困る。




俺がキミに告白したら、みっことキミの仲が悪くなってしまう。





「みっこって、そんなに仲良しなの?」



「ううん。そうでもないけど」




キミの答えを聞いて、ホッと胸をなでおろす。




「じゃあ、別にどうでもいいんじゃないの?」



また冷たくなったって言われるかな。




キミは、俺をまっすぐに見つめたまましばらく何も言わなかった。




「ど、どうしたんだよ」


焦る俺に。





「どうでも良くなんかないもん」


と言ったキミ。






よくわからない。



でも、少しだけわかったことがある。






キミにとって俺は、ただの幼なじみじゃないってこと。




ほんの少しかもしれないけれど・・・・・・キミは俺に好意を持っていてくれているということ。







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