心の中にはいつもキミがいた
「俺、好きな子いるから。マジで余計なことすんなよ」
俺が真剣な顔でそう言うと、タナケンも珍しく真面目な顔をした。
「好きな子・・・・・・いるんだ。そっか。そうだよな」
部活が終わり、着替えながら考える。
俺がキミを好きなように、誰かが俺のことを好きで。
俺がキミにドキドキするように、誰かが俺にドキドキしている。
その想いは、ちゃんと受け止めなきゃいけないのかな・・・・・・なんてさ。
よくわからないけど、迷惑だなって思っていた部分もある。
それは失礼だと思った。
一日中俺のことを考えてくれている子がいるとしたら・・・・・・
その子の気持ちを考えると、なんだか複雑だ。
「そろそろ行くぞ~」
俺はみんなに声をかけて、盆踊り大会へと出かけた。
2年の部員も数人来た。
サッカー部は人気のある男子が多いから、俺達が歩いていると何組かの女子のグループがついてきた。