心の中にはいつもキミがいた




「一緒に花火見る~?」




女の子達に軽く声をかけるタナケンの背中をバッグで殴る。





「これはサッカー部の親睦を深める為の花火大会だから。部員だけで見るんだよ」




と訳のわからないことを言う俺。






「はいはい。わかったよ」



タナケンは物分かりが良くなったようだ。







焼きそばといか焼きを買って、歩きながら食べた。




金魚すくいの場所を確認して・・・・・・


ふたりだけの秘密ってことにドキドキしたりして。







小高い丘の上が花火を見るには絶好の場所。




地元の俺達しか知らない場所。





同じ中学の生徒がたくさんいた。




そこには、柳本もいたし、みっこもいた。




他にも過去に告白してきた子もいた。




俺に視線が向いていることに気付いてはいたけれど、気付かないフリをして花火を見た。






< 50 / 72 >

この作品をシェア

pagetop