心の中にはいつもキミがいた
「一緒に花火見る~?」
女の子達に軽く声をかけるタナケンの背中をバッグで殴る。
「これはサッカー部の親睦を深める為の花火大会だから。部員だけで見るんだよ」
と訳のわからないことを言う俺。
「はいはい。わかったよ」
タナケンは物分かりが良くなったようだ。
焼きそばといか焼きを買って、歩きながら食べた。
金魚すくいの場所を確認して・・・・・・
ふたりだけの秘密ってことにドキドキしたりして。
小高い丘の上が花火を見るには絶好の場所。
地元の俺達しか知らない場所。
同じ中学の生徒がたくさんいた。
そこには、柳本もいたし、みっこもいた。
他にも過去に告白してきた子もいた。
俺に視線が向いていることに気付いてはいたけれど、気付かないフリをして花火を見た。