心の中にはいつもキミがいた
「大丈夫?」
俺は歩く速さを遅くして、キミの顔を覗き込んだ。
「うん。ごめんね。何でもないから」
「何、強がってんだよ。泣きたいなら泣けばいいだろ」
と、キザなセリフを言ってしまった。
笑われるかと思ったけど、キミは笑わなかった。
「真木、みっこと話した?」
本題に突入だ。
「ああ、話した」
「告白された?」
「ああ、まぁ、そうだな」
さっきまで騒がしかったのが嘘みたいに静かだった。
俺とキミしかいないくらい静かな夜。
「OKしたの?」
キミは、チラっと俺を見た。
「するわけないだろ。OKしてたらお前のこと探したりしねーよ」
「そう・・・・・・なの?」
「バカだな、お前は」
俺はキミの背中をポンと叩いてみた。
ふふふと笑ったキミ。
今度はこんな質問をしてくる。
「柳本さんと話した?さっきいたよね」
「話してねーよ」
「そうなんだ」
気になるの?
俺のこと。